空Ⅱ
美佳の仕業かねぇ…。
つまんないことするなぁ。
とりあえず、紙くずを捨てて靴を履き替える。
教室までの廊下を歩いていると、なんだか指を指され、噂されてるみたい。
何とでも言えや。
興味ないし。
「希沙さん‼」
廊下の真ん中を堂々と歩いていると、後ろから声をかけられた。
「なんだ⁇」
振り返れば、空牙の奴らが5人。
確か…4軍の奴ら。
ただ、様子がおかしい。
俯いてて、まるで聞きたくないことを聞くみたいな…そんな雰囲気だった。
そんな中、1人が決心したように顔を上げて口を開いた。
「空牙…解散なんてしないっすよね⁈」
……。
「は⁈」
空牙が解散…⁇
「するわけねぇだろうが。何言ってんだよ」
「や…あの…。誰かわからないんですけど、空牙はもうすぐ無くなると言ってるらしいんです。それも…その……総長のせいでと…」
私のせいで…⁇
空牙が無くなる…⁇
「俺らは希沙さんに着いて行きたいんで、無くなるわけないって信じてるんですけど…」
その続きは…聞きたくない。
嫌な予感がするから。
言わないで…。
「何人かが噂を信じてしまって…女が総長だから無くなるんだ、潰されるんだと思ってるらしいんです」
いわないで……。