空Ⅱ
ガラッと教室のドアをあけると、悠真が笑顔で迎えてくれた。
「お疲れー」
「…絶対思ってねえだろ、その格好…」
「えへ。ばれた??」
「ふつーにばれるわ!!どこに机の上に足乗せてケータイ弄りながら心こもってるとか言う奴がいるんだよ!!」
なんなんだよコイツ!!
腹立つな!!
ツカツカと悠真の所まで歩いていって、バシッと叩いてから席に着いた。
「座ってくださーい」
少し悠真と話していたら気の弱い眼鏡の担任が入ってきた。
「今日は転校生がいます」
この言葉でぎゃんぎゃん言ってた教室が一瞬しんっとなって…
「うおー!!女?!女?!」
「どんな子ー?!」
とか。
またうるさくなった。
「入ってきてください」
そう言われて入ってきた人を見て、私は息が止まるかと思った。
くるくると巻かれた明るい茶色の髪を持つ、この女は私のだいっきらいな奴で…。
「はじめましてっ。湯沢 美佳です。よろしくおねがいしまーすっ」