空Ⅱ
「希沙、ちょっと来い…‼」
怒りをやり過ごしていると、どこからかやって来た優に腕を引っ張られた。
「何⁈痛いんですけど⁈」
「いいから来い」
小走りになりながらも、大股で歩く優に着いて行く。
なんだか怒ってる感じがして…。
嫌な予感しかしない。
連れてこられたのはいつもみんなで居てる空き教室だった。
中には幹部全員と10人程度の空牙の奴らがいて、何故かアイツもいる。
羅羽は怒ってるような気がするし。
私は、ふぅ…と小さく息を吐くと腕を組んだ。
「…何の用⁇」
「お前…美佳のこと追い出そうとしてるらしいな」
「は⁇」
鋭い目で優が私を睨む。
何、言ってんの…⁇
「俺らの見てないとこでイジメてるんやってな」
「はぁ⁈そんなことしてないし‼」
思わず声が大きくなる。
「じゃあなんで体にいっぱい痣ができてるんですか‼‼」
聞こえてきたのは、優の声じゃなくて羅羽の怒鳴り声だった。