空Ⅱ
かわいー!!とかギャルだー!!とか聞こえるけど、私はそれどころじゃない。
震えそうになる自分の体を抑えるので精一杯だった。
どうして…?!
なんでアイツがここにいるんだよ!!
何しに来たんだ…?!
「おい…。希沙??大丈夫か??」
「ゆう…ま…」
多分いま泣きそうな顔してると思う。
「お前…。ちょっと来い」
一瞬驚いた顔をした悠真はすぐに真顔になって、私の腕を掴んで席を立った。
「すいません。コイツ調子悪いみたいなんで保健室つれていってきます」
担任にそう言ってからずっと俯いている私の腕を引いて教室を出た。
美佳が睨んでいたのにも気付かずに…。