空Ⅱ
人気のない体育館の裏に教室にいた奴らを連れて来た。
「…お前ら、空牙におるのおかしいんちゃうか⁇」
ここからは祥がやる。
「なんでですか⁇」
「そんなんもわからんのか‼あぁ⁈」
久しぶりのキレた祥はマジで怖い。
「お前ら誰か1人でも、希沙の話聞いたんか⁈」
みんな、祥の言葉に黙り込む。
「誰か1人でも信じてやったんかって聞いてんねん‼‼」
少しの沈黙の後、優が口を開いた。
「美佳の痣みた後に、希沙の話は信じれませんでした」
「お前ら…何考えてんねん‼‼なんで最近知り合った奴の言葉は簡単に信じれて、今までずっと一緒におった希沙の言葉が信じれやんねん‼‼おかしいやろうが‼‼」
「祥、落ち着け」
頭に血が昇って、優の胸ぐらを掴んでいる祥を落ち着かせてからみんなの方をみた。
「…一週間以内に、希沙とまた来る。お前ら反省しとけ。あと、噂とか今の話信じてる空牙の連中にも伝えとけよ」
それだけ言うと、また公園に向かって歩き出した。
美佳の正体を言ってもよかったけど、それは希沙が言うことだと思うから。
さっさと噂流してるのがあの女だという証拠を掴んで、希沙を元に戻してあげたい。
居場所を、返してあげたい。
待ってろよ、希沙。
そして、覚悟しやがれ。
湯沢美佳。