空Ⅱ
私が適当にお礼を言うと、祥がいじけた。
なんなんだ…⁇
祥と大和のキャラ、入れ替わってねぇ⁇
「あっ‼ちょ、希沙、きいて‼」
あ、やっぱり変わってなかったかも。
それからは大和の話を適当に聞き流しながら、雑誌を読んでいた。
「そういや、希沙ー」
「んあー⁇」
マシンガントークを繰り広げていた大和の声が少し変わったので、返事をしたら変な声が出た。
「んあーって…」
「笑うなっつーの」
笑っている大和を睨んでやると、笑ったせいで涙目のまま、すまんすまんと、いかにも謝る気がないと思われる謝り方で謝ってきた。
まあ、私って心広いから⁇
許してあげましたけど⁇
雑誌を投げるだけで。
「で⁇なに」
雑誌の角が当たったらしい頭を抱えて痛がってる大和に冷たい目をむける。
「あぁ、そうやった‼」
うわー…本題忘れてたよこの人。
「空牙には…顔出さないままでいいのか⁇」
空牙…ね。
そんな心配そうな顔するなよなぁ…。
「今行っても、なめられるだけだし。ねじ伏せれるけど。めんどくさいから、今は行かない。これ、さっさと片付けてからかなー」
「そうか」
そう言った大和は少しホッとしたような、悲しそうな顔をしていた。