晴れた日の朝



「ほかによりたいところ、ある?」


パン屋さんのいいにおいが鼻をくすぐったけど私は首を横に振った。


「じゃあ、帰ろうか」

「うん」

甘い、お砂糖を焦がしたにおいもする。


「今日の夕飯はオムライスにしよう」

トイレットペーパーを抱えた康ちゃんは嬉しそうに天を煽った。


「ハル、おいで」

花柄のワンピースと茶色のショートブーツは康ちゃんが買ってくれた。


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