雨とバンビ。




ちょうど私は、普通の傘といつも持ち歩いている折り畳み傘をもっていた。



ひとつ貸しても、いっか。



そう思い、公園へと足を踏み入れる。



「…あの。えっと…傘、無いんですか…?」



私が話しかけると、その人は顔を上げた。



透き通る様に白い肌。



雨で太陽は出ていないのに光を反射する髪。



長くて色っぽいまつ毛に。



潤んだ大きな瞳。




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