雨とバンビ。




毎日通る通学路も、バンビのことを考えていたらあっという間。



「夏蓮、大丈夫?」



ぼーっとしている私を見て美華は眉を寄せた。



「…ごめ、大丈夫」



大丈夫じゃなさそうな返事をすると、美華はため息をついた。



「……そんなに好き?」



美華の言っている意味が分からなくて、首を傾げる。


「だから、私が話しかけても、今度遊ぼうって言っても上の空なぐらい…」





「好きなんでしょ?」



「……え」



なにそれ、私相当ヤバいじゃないか。



「遊ぼうって誘った…の?」


全く覚えていない。



「うん。あー、いいねーって言われたけど?」




< 42 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop