雨とバンビ。




「ごめん! 本当に…」



周りにまで迷惑かけちゃだめじゃん。



「いや、いいよ別に」



「是非とも遊ばせて下さいっ!」



いきなり叫んだ私に、ビクッと肩を震わせた美華は、


「わ、分かったから…」



苦笑いしてそう言った。



いつも別れる交差点に着いて、手を振った。



「じゃあね」



「また連絡するから」



そして私は微かな希望を抱く。



その可能性は低いのに。




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