雨とバンビ。
神様、もう少し。
ううん。永遠に泣いていてくれれば良かったのに。
「…でも、同じ場所に降るとは限らない」
「……っ」
ようやく、この非現実な状況を理解して、涙が出てきた。
「もしかしたら、また、会えるかもね…?」
今までに見たことないくらい、バンビは優しく笑った。
「だから、あの晴れの日も来なかったの…?」
てっきり私のせいだと思っていたけど、違った。
「…そう」
雨が大嫌いだった私。
でも、雨に恋をした私。
矛盾しすぎだから。