雨とバンビ。




「雨はね、好きなのか嫌いなのか、分からなくなる」


私何話して…。



「置いて行ったバンビなんか、嫌いだって…思うのにっ…笑顔を思い出して、やっぱり、好きだって、っ」


泣きたくなんてない。



「……知ってる?夏蓮」



何を?という視線を向けると、美華は口を開いた。



「梅雨は再びやって来る、って」




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