君が恋しくて


私をまっすぐ
見据えたまま、
壮ちゃんはちいさく口を開く。


「....ごめん、行けない」



まじか..



その言葉を聞いて、
私はくるりと
前に向き直る。

「..いや、別に壮ちゃんが
暇だとかわいそうだから
誘ってあげただけだしねっ
謝る必要ないし」



「..ごめん...」


背中に刺さる
壮ちゃんの言葉。



なんで謝るの?

もしかして
私の気持ち知ってたとか?

だからごめんって?







「おれ、東京に引っ越すんだ」







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