君が恋しくて


バッと振り返る。

「ぜーんぜん寂しくないし!
あんたみたいな変態、
いなくなって清々するよ!」



無理して笑顔を作って
どうでもないようなフリをする。



私はこんな時でさえ
素直になれないのか


自分に腹が立った。



壮ちゃんは
変わらず真っ直ぐな目で
こちらを見ている。





そんな目で

見ないでよ


痛い

胸が


痛い




「....っつ」


頬に冷たい雫が零れた。



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