君が恋しくて


「栞」


そう呼ばれた瞬間、
何かに口を塞がれた。

それが壮ちゃんの
唇だと気づくと、
私はゆっくりと目を瞑った。


その唇の温かさが
心地良くて、いつまでも
こうしていたいと思った。



でもそれは
叶わず、静かに
唇は離れる。
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