今宵、貴女と夢心中

しかし、子供は無言で窓を指差しただけで、また机の影へ身を潜めてしまいました。

私は窓へ近付くと、外の様子を窺いました。

夕焼けのような赤い空が町を覆い、地上は確認できない高さに自分がいるということが分かります。

振り向いてゾッとしました。

先程まで無表情だった子供たちは、ニタニタと笑いながら私を見ているのです。
とても不気味な光景でした。


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