屋根。
第一章
『なんか、変な人が学校の周り、うろつくらしいよ。』
奈々が怖い顔して言った。
あたしは、
「は?なにそれっ、笑えるっ。」
と、言った。
『ちょっと!ほんとにヤバいんだからね!』
奈々が言う。真面目で可愛い。てか、面白い。
「んで・・・クスッ何・・・がっ・・・クスッ、ヤバい・・・の?」
笑いをこらえて言ったけれど、バレバレだった。
『ったくー!ま、いいけどさ。んで、それがね・・・』
間を空けて話す奈々。

『学校の女子、さらってトリコにしちゃうんだって!』
・・・は?
奈々の言ってることがよく分からなかった。


そして理解したのは6秒後。
頭に笑いが来た。
「ぶっ!ははははっはははっ。」
あたし、杏は狂ったように笑った。
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