屋根。
第二章
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・・いったい誰なんだろう。あの男は。同い年っぽかったけど、高校のバス停では下りなかった。
あのバス停の次は、駅だ。
ま、どこかで見ただけなんだろう。
深入りしすぎないほうが、いいかな。
そう思ったのは、間違いだったんだ。
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『あ、あの、“キミをさらいに来た。”の人ね!』
佳奈は、そうこたえた。
「へー。そんなこというんだ。変なの。」
すると刹那が、
『あ、うち写真あるよー。買ったんだ♪』
と、言った。
あたしたちは写真を見せてもらった。
その写真を見てあたしは驚いた。あの男だったんだ。
「刹那、その写真・・・あたしに売って。」
と、あたしは言って指を一本出した。
刹那は、あたしが写真に興味があることは気にせずに、
『杏!その話、乗ったぁ!』
と、言って写真を差しだして、手を出した。あたしは、
「ありがと。」
と言って、千円札を渡した。そして、写真をもらった。
あたしは、大事にスクールバックのポケットにしまった。
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