極上お姫様生活―2―【完】
「全部って……遥登はどこまで知ってるのよ」
そう返されて、俺は首を傾げて考える。どこまで……、って。
「須賀楓汰……は、知ってるわよねさすがに。てことは蒼空の中学の頃のことも知ってるわけだから―――」
ちょ、
「ちょっと待て!」
何だ、誰だよ須賀楓汰って。蒼空の中学の頃?ああもう、さっぱり意味が分からねぇ。
「もしかして、本当に何も知らないの?八木原斎は全てを知ってるような様子だったのに」
その言葉に大袈裟に反応してしまった。俺の知らない蒼空を、斎は知ってるのか。
……。
「みんな呼ぶわ」
「え?みんなって、」
「遊哉と湊。あいつらにも話を聞く権利あるだろ」
あいつらだって何も知らないはずだし。
「ちょ、待ってよあたし男苦手なんだけど」
「わけ分かんねぇこと言ってんなよ」
「失礼だな!」
隣で喚く女を無視して、俺は二人に電話を掛けた。幸い二人ともすぐに来れるみたいだ。
「今から来るって」
「人の話聞きなさいよ」
「あー?男が苦手とか信じらんねぇよ。現に俺とこうやって二人きりで話してるじゃんか」
「それは……あんた可愛い顔してるし、見た目女じゃない」