極上お姫様生活―2―【完】
「こんな風に男の子と話せるの、遥登君くらいなんだから」
まさにそれは不意打ちだった。
ふわり、ふっと目を細めて柔らかく笑う彼女。癒しというかなんというか……。
「っ、」
やば、ドキドキしちゃった。
「遥登君?」
きょとん目を丸めて首を傾げる未來、ちゃん。
「そ、そんな顔しないで!というか何でいきなり君付けするんだよっ!」
「え、だってやっぱり失礼かなって」
「君に失礼とか思える心あったんだ!いやいいし!呼び捨てでいいから!」
うわあああもう頭パニクってなに言ってるか分かんね!
一人あたふたしてる俺をよそに未來ちゃんはまたニッコリ笑って、
「そう?じゃあ……遥登でっ」
そう言うから。
「~~~っ」
ときめいちゃうじゃないか。
「お前、一途だと思ってたんだけどなー」
「ヒッッ!!!?」
肩が尋常じゃないくらい跳ね上がり、甲高くて気持ち悪い声が出てしまう。
「っ、お前ら来たんなら声掛けろよ!!」
「何かピンクのオーラが辺りに充満してたから、出るに出れなかった」
湊が目を逸らし、あからさまに俺と距離を置く。おい、頬が赤いぞ。