極上お姫様生活―2―【完】
二人を座るよう促してから、俺は小さく息を吸った。
「未來ちゃん。蒼空の中学の頃の話、してくれる?」
困惑の色を宿した視線を二人から向けられ挙動不審に目を泳がせながらも、未來ちゃんは俺を見て頷いてくれた。
「何も知らないみたいだから、最初から全部話します」
咳払いをひとつ、未來ちゃんはしっかり前を見て話始める。
「まず、須賀楓汰っていう蒼空にとって初めての彼氏となった人のことから話しますね」
未來ちゃんはゆっくり時間を掛けて丁寧に全てを話してくれた。最低の彼氏のこと、蒼空がいじめにあっていたこと、襲われそうになったこと。
……斎はこのことを全て知ってること。……今さっき、その最低な蒼空の元カレからメールがあったこと。
事細かに包み隠さず全部、未來ちゃんは俺たちに事実を伝えてくれた。
「以上が、あたしの話せる全てです」
正直、言葉が出なかった。放心状態というかなんというか、とにかく頭がついてこない。
「前に旅行に行ったとき、斎がいずれ話すと言っていたことがあったな。それが……このことなのか」
「多分、あのとき既に蒼空の過去のこと知ってたんだろーね」
……悔しい。