極上お姫様生活―2―【完】
「何だよその須賀楓汰って奴!今すぐぶっ飛ばしてぇ!!」
握った拳を手のひらに叩きつけ、遊哉が苛立ちを露わにする。
「にしても、どうして今さらメールなんてしてくるんだ?」
「下衆野郎の考えてることなんて分かりたくもないね。何か企んでるっていうのは間違いないみたいだけど」
なんにせよ、早いうちに片付けないといけない問題だよなぁ。蒼空の周りうろつかれても目障りなだけだし。
「不安にさせたくなくて気にしなくていいって笑って言ったけど、あたし蒼空が心配だよ……」
「未來ちゃん……」
「あいつ、本当に読めない奴だったし……なに仕出かすか分かんない」
未來ちゃんがぎゅっと力を込めた拳を優しく握る。絶対大丈夫、なんて無責任なこと言えないけど。
「蒼空は必ず俺たちが守るよ」
少し不安を取り除いてあげるくらいなら出来るから……。
「……うん」
ね?と笑うと、未來ちゃんも小さく笑い返してくれた。
「とりあえず蒼空に逢いてぇ。一人じゃねぇだろうな」
「蒼空は今、斎と一緒にいるみたいだけど」
遊哉は一瞬悔しそうにくしゃり顔を歪めた後、すぐにそっかと笑みを溢した。