極上お姫様生活―2―【完】
「櫻田君、」
そっか、櫻田君たちは事情を知らないからこの状況もさっぱり意味が分からないよね。
ちゃんと説明しなきゃいけないよね……、
「あいつが須賀楓汰なんだな」
「、え」
櫻田君の厳しい目線が須賀楓汰に向けられる。なんで……?
「どうして知ってるんですか……?」
「ごめん、あたしが全部話したの。この人たちには、知られても大丈夫だと思って」
未來ちゃんが申し訳なさそうに眉を下げる。
そっか、未來ちゃんが。
「謝る必要なんてないよ。むしろ、代わりに話してくれてありがとう」
あたしもいずれ話さないと、とは思ってたけど何から伝えればいいのか分からなかった。
距離を置かれたりしたらどうしよう、って、すごく怖かったから。
「お前、辛い思いしてたんだよな。ごめん、気付いてあげられなくて」
橘君が頭を下げる。
「や、やめて下さい!あたしが悪いんです、中々言い出せなくて」
謝ってなんかほしくないよ。何も悪くないのに。
「俺たちのことは気にすんな、簡単に話せるようなもんじゃないだろ」
「うん、まぁ……そんなことより、」