極上お姫様生活―2―【完】
過ちを後悔しても
「っ……んぅっ!!」
荒々しいキス。あたしの後頭部をきつく押さえて離れてくれない須賀楓汰。
でも、分かる。
……彼の余裕のないこんなキスは初めて。不器用だけど、あたしに伝えようとしてくれてる。
分かってくれ、って、縋るような彼のキス。
「……っふ、」
苦しいよ。―――楓汰。
「離れろ……っ!!」
肩を強く捕まれて引き剥がされる。ようやくあたしは我に返った。
なに、なにを考えてたの?今あたし、受け入れた……?
「っ、……ざけんなよ……っ!!てめぇ蒼空に何しやがる!!!」
「俺の愛が本物だって、これで信じてくれるか?」
須賀楓汰はあたしを見てニヤリ口角を持ち上げる。唇をごしごし擦っても、彼の感触は消えない。
さっきの熱を思い出しては体温を上げるあたしの身体。
やだ、こんなの……あたしが好きなのは、
好き、なのは―――。
「ちょっとちょっと、今のは見逃せないなぁ。……殴っていい?」
「遥登、俺も手伝おう」
パキ、と拳を鳴らして須賀楓汰に近寄る遥登君と櫻田君。
「……ぜってー許さねぇ」
後を追うように橘君が足を踏み出したのと同時に、あたしの身体も動いていた。
「……蒼空?」