極上お姫様生活―2―【完】
やだ、……やだ、!
「待って、下さい、……行かないで下さい……!!」
悲痛な叫びを上げても、彼らの背中は遠くなっていくばかりで。
「話を、聞いて下さい……!お願い……っ」
駆け出した足がもつれて転びそうになる。構わない、ともう一歩前に出たところであたしの身体は動かなくなる。
手首を未來ちゃんに掴まれていた。キリキリと握り上げられて痛みに顔を歪める。
「……っ、!!」
「追わせないよ」
「……え?」
未來ちゃんが怒りに満ちた声を出す。耐えられないほどの痛みが一瞬身体を駆けて、未來ちゃんがあたしから離れた。
「人の気持ちが理解できないくせに、みんながどんな想いだったか分からないくせに……!」
あたしのことが許せない。と、そんな感情を言葉の節々に詰めながら、未來ちゃんが涙を流す。
「あんたに、みんなを追う資格はないよ。好きになる資格もない!!」
四人が行ってしまった後を追いかける未來ちゃんの背中を見つめながら、あたしはやっと理解した。
自分の犯した、罪の重さを。
「……っ、ふぇ……っ」
全部、全部……なくなっちゃった。