極上お姫様生活―2―【完】
「ちょ、気持ち悪くなるでしょうが!離して!!」
何なんだよこの状況は……。
俺らは、ここまで蒼空を追い詰めちまってたのか。自分たちばっかり裏切られたと思って。
「おい、斎、……おい!」
いつの間にか俺の席まで戻ってきていた遊哉が切羽詰まったように俺を呼ぶ。
「あ?」
「何だよこれ、どうすればいいんだよ……!?」
んなもん知るか。対処法が分かってんなら、最初から動揺なんかしたりしないだろ。
「浅村のあんな姿……初めて見た」
ぼそり、横で湊が呟く。そりゃあ……俺だって初めてだよ。
「で、あたしの言いたいことは分かってくれたのかな?話聞いてくれるんですかね?」
大袈裟に見下されここはイラッとするところなんだが……。
畜生可愛い。
「あ、あぁはい。……聞きます聞きます」
遊哉、もはや敬語になっちまってんじゃねぇか。嘘みたいな光景だな、オイ。
「話聞くから元に戻ってえええ」
遥登も完璧泣きついちまってるし。湊は湊でこの状況を理解したくないみてぇだし。
俺らも言いたいことはたくさんある。……こうなったらきちんと腹割って話すか。先に伸ばしたってお互いのためにならねーし。
つかこれはもう、聞くしかねぇだろ……。