極上お姫様生活―2―【完】
「全員斎の部屋に行けばなんの問題もねーだろ」
橘君がやれやれといった調子で場を纏めようとする。遥登君も櫻田君もその意見に賛成するように大きく頷く。
「は?何で俺の部屋なんだよ」
唯一、八木原君だけはやっぱり納得いってないみたいで。
「何でもだよ、もうめんどくせーし早く行こうぜ」
すかさず反論したものの、みんなの空気が変わることはなかった。
ぞろぞろと八木原君の部屋に向かうみんなの背中を睨みながら小さく舌打ちした後、八木原君はあたしに向き直る。
「仕方ねぇな、……行くか」
「はいっ」
こうしてあたしたちは八木原君の部屋に向かう事になった。
嫌な胸騒ぎが外れてるといいんだけどな……。
「おっじゃましまーす」
「おい、絶対散らかすなよ!」
八木原君はズカズカと遠慮なしに部屋に上がり込む橘君の後ろ首を掴んで引き留める。
「分かってるって!」