極上お姫様生活―2―【完】
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「うわーうわー解けてるよ!蒼空ちゃん見て!俺問題解けてる!!」
「すごいですっ、この調子でどんどん解いちゃいましょう!」
「おうっ」
公式を教えただけなのに、すらすら問題を解いていく橘君。普段授業聞いてないだけで、真面目にやれば赤点の心配なんていらない人なんだ。
「…~」
その隣で苦い顔をしている中村君。
「うー分かんない!僕、歴史だけは嫌いなんだよね」
「そうなんですか?」
歴女って程ではないけど、歴史は得意分野。特に江戸時代が好き。
「暗記出来ないもん」
ぷぅと頬を膨らませて、机に顎をつける。やがて中村君の目線が目の前のノートに定まった。
「うっわ、見やす!蒼空、このノート見して見して!!」
「え、あ、はい」
奪い取られるようにあたしの手元からキャンパスノートが消える。
決して見やすくはないと思うんですが。