極上お姫様生活―2―【完】
だったら八木原君はいいの?
あたしが学校を辞めて、ここからいなくなっても良いって言うの?
次から次へと良くない事ばかり考えて、冷静になれなくなってしまう。八木原君は何も悪くないのに、関係ないのに。
「そうですよね、話せばいいんですよね」
「ちょっと蒼空、少し冷静になりなよ」
あからさまに拗ねたあたしに見かねたのか、遥登君があたしの腕を掴んで宥めようとする。だけどそんな風に呆れた顔をする遥登君を見て、かえってあたしは憤りを覚えた。
「もしかしたら誤解があるかもしれないしな。親子水入らず、これを機に納得のいくまで話し合ってきたらどうだ?」
心配してくれてるのは分かってるはずなのに、自分の事を理解してくれないみんなが腹立たしくて。
「そうですかそうですか、はいはい分かりました」
誰も悪くないのに。
「蒼空……?」
「何なんですかみんなして。だから話すって言ってるじゃないですか!話しますよ!話せばいいんでしょう!?」
叫びながら半泣き状態で、もう自分でも何を言っているのか分からなかった。ただ頭に血が昇ってお母さんの肩を持つような事を言うみんなに怒鳴り散らす。
「ああもう面倒臭くなってきましたね!お開きにしましょうよ」