極上お姫様生活―2―【完】
その強い意志をもった声は部屋中を反響して俺の耳に確かに入ってくる。
「……あぁ」
蒼空が諦めないって言ってるのに俺が弱音を吐いたら意味ないな。彼女を支えてやる事こそが、俺の生き甲斐でもあるんだから。
守ってやるつもりだ、どんな障害からも。
「あたし、絶対諦めません。どれだけ時間が掛かったとしても、お母さんを説得してみせます」
そう笑う蒼空の隣で斎がほっとしたように息を吐いた。
「俺たちも協力するから、これから頑張っていこうぜ」
「はいっ」
ピンと張っていた緊張が溶けて空気が変わる。だらりと力が抜けて俺は後ろに倒れた。くつろぎ過ぎるなと斎に怒られたが、もうそんなのどうだっていい。
「櫻田君」
「あー……何だ」
寝転んで手を大の字に広げたまま答えると、蒼空は俺の顔を覗き込んだ。おわ、……この角度の蒼空やばいな。
「今朝は、ありがとうございました」
……今朝?