極上お姫様生活―2―【完】
だけどどうしたらいいのか、具体的にはよく分からない。気難しい人なわけじゃないから理屈を並べたって無駄だろうし。
うー……ん、と頭を唸らせていると、コンコンとノックの音がした。
「はーい?」
誰だろう?
とりあえず返事をしながら玄関に向かう。だけどあたしが開ける前に、向こう側から扉が開けられた。
「おい、ちゃんと鍵掛けとけよ危ねぇな」
「や、八木原君……!」
あたしに見せつけるように鍵をガチャリ掛けた八木原君があたしの許可もなしに部屋の中へ入ってくる。
「ど、どうしたんですか急に……みなさんは?」
見られてまずい物はないか一応確認しつつ、あたしは八木原君に問いかけた。
「あいつらは帰った」
短い言葉で返答し、手を招いてこっちへ来いとあたしを促す。それに素直に従い、彼の隣に座った。
「逢うのか?」
見透かされているのは何となく分かっていた。八木原君はよく人を見ているから。
「逢います。どうなるかは分からないけど、このままじっとしてるわけにはいきませんもん」
笑みを溢すと同じように八木原君もあたしに笑いかけてくれた。でもすぐに真面目な顔であたしを見つめ。
「俺も行く」