極上お姫様生活―2―【完】
「ありがとう蒼空!大好き!愛してる!」
遥登君の口から飛び出る愛の言葉たち。多分、あたし顔真っ赤だ。
「遥登、そういう言葉を軽々しく言ってんじゃねぇよ」
八木原君がシャーペンをカチカチ鳴らしながら遥登君を見る。
「軽々しくなんかない!僕はいつだって本気だぞ。蒼空が泣いてたら…抱き締めてあげたいし」
チラ、と遥登君を見ると向こうもあたしを見ていてバッチリ目が合ってしまった。
「っ、」
恥ずかしくなって目を逸らすと、目の前に影が差す。誰かが立ち上がったんだろう。
顔を上げると、遥登君が真剣な眼差しであたしを見下ろしていた。
「は、ると…君?」
「本気だ。俺はいつだって本気なんだよ、蒼空。分かるか?」
「は、はいっ…分かります分かります!」
本当はあまり理解していなかったけど、やけに冷静な遥登君の目が怖くて慌てて頷いた。
あたしの真ん前まできて、ゆっくりしゃがみこむ遥登君。そっと頬を撫でられ、肩が跳ねてしまった。