極上お姫様生活―2―【完】
「今だって…本気で―――」
え…?
「おいこら遥登、調子乗んな」
橘君が遥登君の首根っこを押さえてあたしと距離を離す。それでも遥登君はあたしを見たままで。
「好きだ、蒼空」
「っ…!」
「遥登、いい加減にしろよ」
「嫌だ…!お前らだって思ってんだろ!?蒼空を傷付けた…蒼空を振った奴が何で平気な顔してここにいるのかって…!」
「……」
「っ、!」
やだ、やめて。八木原君を責めないでよ…!
「斎は友達だから知らんぷりしようと思った。斎と蒼空が普通に接してるの見て、良いんだって思った。……だけど、蒼空を泣かした事だけはやっぱり許せない!」
「それは俺らには関係ないから成り行きを見守ろうって約束しただろ」
……みんな、やっぱり知ってたんだ。
八木原君は感情のない目で遥登君を見たまま、何も言おうとしない。