極上お姫様生活―2―【完】
「蒼空!もうほんっと可愛いんだから!!」
うずうずしていた遥登君が我慢できない!、とあたしに飛び掛ってくる。
予想してなかったあたしは耐え切れず、そのまま後ろに押し倒される形で倒れ込んでしまった。
それでも止まらない遥登君はあたしの首筋に頭を埋めすりすり擦り寄ってくる。ちょっ、……くすぐったい!
「おい遥登!お前、調子に乗んな!!」
櫻田君が遥登君を引き剥がし、橘君がその頭をぺしっと叩く。
「いったいな!何するのさ!!」
「うっせぇ!蒼空に触るなっつってんだよ!」
「うむ、同感だ」
三人がギャーギャーと騒いでいる隙を見計らって斎があたしを抱き起こしてくれる。そのままあたしの腰へ腕を回して引き寄せた。
「ひゃ……っ?」
それに全く気付かない三人。斎は咳払いをすると、高らかに宣言した。
「おーいお前ら、残念ながら蒼空は正式に俺のものになったから。手ぇ出したら殺す」
その声に完全に動きを止めてゆっくりと振り返った三人の顔が歪む。
「……へ?」