極上お姫様生活―2―【完】
あれから寮に篭ったまま出てこないあたしを、橘君たちが心配してくれている。何度もノックの音が聞こえて、外からあたしを呼びかける声がする。
だけど…何かもう疲れちゃった。
時々、八木原君とすれ違っても目すら合わせてくれない。
学校に行く事さえ億劫になっていた。
「……今日も休んじゃった」
テストが間近に迫っているというのに、あたしは一体何をやってるんだろう。
―――蒼空ー?ちょっと開けるわよ。
え…!?
突然外から翼の声がして、肩を跳ねらせる。
あたしの返事を聞かずに、ガチャガチャと音を立てて翼が遠慮なく入ってきた。
「翼…どうしたんですか!?学校、まだ終わってませんよね?」
「あんたが心配で来てやったんじゃない、感謝しなさいよ」
…っ、また、心配掛けちゃった。
「冗談よ、私が来たかっただけなんだからそんな顔しないで」
よしよしと頭を優しく撫でられ、それだけで泣きそうになってしまう。