極上お姫様生活―2―【完】
先生たちは一体何しにきたのか……。いや、この状況を楽しんで荒らしにきただけな気がする。
と、思っていたんだけど。
「て事で、そこのちょっと大人になりましたみたいな面してる三人、今からちょっと仕事すっから手伝え」
「は!?」
先生がガシッと橘君と遥登君の肩を掴み、お前も、と櫻田君を顎で促す。
「手伝いって何だよ!この状況でまじ有り得ねぇぞ!」
「うるせぇ、早く来い」
問答無用といった感じで、あっさりにみんなを連れて行ってしまう。
「ちょっとみんな……っ」
「……もしかして、気遣ってくれたんか?」
斎がその場に残った翼に問いかける。んー?と軽い返事をしてから、クルッとあたしたちに向き直った。
「まぁ気にしなくていいんじゃない?」
「気にしなくていいって……」
「そんな事より、」
納得のいかないあたしを無理矢理宥めるように抱き締める。
「蒼空、おめでとう。……幸せになりなさいよ」
「翼……」
柔らかい体温に触れて、あたしはありがとう、と呟きながらぎゅっと抱きしめ返した。