極上お姫様生活―2―【完】
「お前がこの学校に来た時さ、すげー可愛いなって思ったんだ」
優美な眼差しに見つめられる。
「どんな子なのかっていう興味本位で、お前に近付いた。想像してたよりウブで驚いたけどな」
「……それ、褒めてませんよね」
唇を尖らせると、拗ねんなって、とまた笑われた。
「いつから好きだったか、正直あんま覚えてねぇんだけどさ。……でも自覚してからはやばかった。いつでもお前の姿目で追って」
「っ、」
部屋の外で橘君たちの声が微かに聞こえる。帰ってきたのかな、って一瞬思って、すぐにそんなの気にならなくなる。
あたしの頭が斎でいっぱいになったから。
「大好き、だ。泣いたって離してやれそうにない。……な、お前もよそ見なんかすんなよ?」
「しませんよ、もう斎しか見れません。そっちこそ浮気したら許しませんからね」
さらり……斎の髪に触れて乱す。何もかもが愛しくておかしくなりそう。