極上お姫様生活―2―【完】
ご褒美のちゅー
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「よし、じゃあお前ら明日は全力でいけよ」
「お前が一番全力でいけ」
明日は運命の試験日です。この一週間、本当に辛い日々だった。
誰かが居眠りをする度に勉強する空気が薄れてしまい、他のみんなも次々に寝出したり。
学校に教科書置きっぱなしだとかで、夜中に学校忍び込んだり。
時々夜食を持ってきてくれた翼とだらだら談笑してしまったり。
「無理。この空気無理。超無理。やだ。俺帰る。ばいばい」
と、あのクールな櫻田君が冷や汗をかきながら部屋を出て行ってしまうほど、あたしたちのテンションはおかしかったと思う。
もちろん櫻田君は遥登君と橘君によって連れ戻されたわけだけど。
「はぁー緊張する、すげぇ緊張する」
さっきからそわそわと太ももを擦って落ち着かない様子の橘君。
今日は前日だから無理に勉強しないで、まとめたノートを見直す程度にしている。
頭に詰め込みすぎるとパンクしちゃうから。