極上お姫様生活―2―【完】
「今まで通り、いつも通りにやれば絶対大丈夫ですよ」
この一週間で橘君は本当に勉強ができるようになったと思う。苦手分野がないのも強みだよね。
「そうだよな。うん、俺頑張るから!」
「はいっ」
あたしたちがにっこり微笑み合っていると、八木原君が口を開いた。
「褒美は?」
一瞬の間。
え?あたしと橘君、ノートを睨み付けてブツブツ呟いていた遥登君も、はっと顔を上げた。
「ほ、うび?」
「あぁ。赤点取んなかったら、何かご褒美くれよ」
そ、そんな馬鹿な!あたしに利益はないじゃないですか!
「あーそれいいな。うん、それなら何倍も頑張れそうだ」
「え、あの」
「ご褒美かー!すっごいナイスアイデアだね!」
ちょっとー!
わいわい盛り上がってあたしの話なんて聞いてくれそうにない。
困り果てて視線を泳がせていると、あたしをじっと見つめていた櫻田君と目が合った。
櫻田君なら助けてくれるはず…!