極上お姫様生活―2―【完】
「八木原君?」
「何かあったのか」
あたし、ちゃんとバレないようにしてたよ?……なのにどうして分かっちゃうの…?
「な、なんにも…」
「蒼空、無理して笑うな。隠せるとでも思ってんのか?」
「っ」
何も言えないでいると、ふわり包み込まれた。
優しく、でも強くあたしを抱き締めてくれる八木原君。……好き、好きだよ。
「大丈夫だから。…全部俺に言えよ」
胸がきゅうと苦しくなる。こんなに近くに八木原君を感じられる。
「…自分の進路が決まらなくて、」
八木原君の腕に抱かれたまま、あたしは無意識に言葉を紡いでいた。
「進路…?」
八木原君が口を開く度に、吐息が鼻にかかってくすぐったい。でも、すごく安心する。
「八木原君は卒業したらどうするつもりなんですか…?」
やっぱりもう決まってるのかな。
「まだ確定じゃないけど大学行くつもり」