極上お姫様生活―2―【完】


「何ですか?」



中途半端で気持ち悪いから言ってほしい。あたしが傷付く言葉だったとしても。




「あー…、」



中々言おうとしない八木原君に、あたしはしびれを切らした。もう、焦れったいな。




「大丈夫ですから」


さっき抱き締めながら言ってくれた、すごく安心する言葉。



あたしもあの時の八木原君と同じように笑った。








「……、進路決まってないんなら」



「…?」




一度目を逸らして、すぐに合わせる。見つめられた瞬間、息が出来なくなった。






「俺んとこ来いよ」






泣きそうになっても、傷付いても、我慢して笑おうと思ってたのに。




「は、反則です…っ」



違う意味の涙が出てきちゃったじゃないですか、どうしてくれるんですか。





「泣くなよ」


「っ、だって…っ」




だって、嬉しくて堪らない。





「まだ何も解決してねぇのに、こんな事言うのは無責任かと思った。けど……俺の本音、な」




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