極上お姫様生活―2―【完】


先生は終始不機嫌な様子でさっさと行ってしまった。


どうしたんだろう…?





「若宮先生と喧嘩したな」


「え?」



翼と喧嘩?あ、そっか。だから機嫌悪いんだ。




「翼と何があったのでしょう…」




急に翼に逢いたくなる。泣いてないといいけど。


「まぁ大丈夫だろ。……それより、」




八木原君の声が真剣みを帯びる。あたしもしっかり顔を上げた。




「…約束、な。その時がきたら、お前を俺のものにしていい?」




「っ、」



そっと差し出される小指に、あたしはまた泣きそうになりながら自分の小指を結ぶ。




ありがとう、八木原君。待ってるね。






―――――――――――

――――――





「お疲れ様ー!」



その後、橘君たちと合流してあたしの部屋で打ち上げを行った。




大袈裟かもしれないけど、あたしたちにとっては大事な事で。



まるで結果が分かってしまう明日から逃げるように、夜遅くまで盛り上がった。




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