極上お姫様生活―2―【完】


目覚ましが朝の訪れを告げる。


あたしはそのずっと前に起き出して、既に準備万端整ってしまっていた。





「…眠れなかった」


今ごろ学校の正面玄関には、大きな模造紙が掲示されていて。



そこには順位が張り出されているはず。1位から20位までと……赤点を取った人の名前まで。




この学校は残酷だと思う。



成績が悪い人まで公にしなくていいじゃないですか。その人が馬鹿にされて不登校になっちゃったりしたら、責任取れるんですか。





なんて文句を言ったって、状況は変わらない。行くしか道はないのだ。




朝ご飯を食べて、髪を整える。鏡に映った自分の顔を見てぎょっとした。



「ちょっと寝れなかっただけなのに…物凄いやつれて見える…」




まるでお年寄りじゃない、



と突っ込んでみても虚しいだけで。あたしはさっさと鞄を持って玄関の扉を開けた。





「行ってきます」


みんなも緊張してるんだろうな…。






憂鬱な気分を抱えながら、あたしは重い足取りで学校に向かった。



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