極上お姫様生活―2―【完】
目を擦る。
もう一度目を擦る。
「あたしが…一番上に書いてあるように見えますが、」
……いやまさか、そんなはずないよ、ないない。
だって、ねぇ?
「そうだよ!蒼空ちゃん、1位だぜ」
目だけでなく耳も疑ってしまう。……あたしが、1位?
「すごいね蒼空!おめでとっ」
「おめでとー!」
「さすが蒼空ちゃん!」
遥登君に続いて、周りにいた男の子たちも祝福してくれる。
「あ、ありがとうございます」
恥ずかしくてどうしていいか分からなかったけど、とりあえず頭を下げる。
「蒼空は努力家だからな。つか元が良いんだろ」
多分八木原君は進路の事を言ってくれてるのだと思う。
あたし、八木原君と同じ大学行けるかな。
「んで!注目するのはここ」
橘君がバンッと指で模造紙を押さえる。
そこは、八木原斎と書かれた文字。
その下に櫻田君、遥登君、橘君の名前が続いていた。