極上お姫様生活―2―【完】
「は、」
言葉にならない声が出て、ちょっと苦笑してしまうほどで。
これはあり得ない。夢なんじゃないか。
「全員、2位……」
自分が1位なのより衝撃的です、どんな奇跡ですか。
「くっそ~あと1点あれば蒼空のキス独り占めできたのに」
え?
独り占め…って。
「もしかしてこれ、全員にキスする感じですか」
「当たり前じゃん」
即答されて、ますます頭が痛くなる。
「何だよ蒼空、嬉しくないのか?」
確かにここは喜ぶべきところなのかもしれない。全員赤点どころか、学年で2位(タイだけど)なんだから。
でも…―――。
「ぜ、全員となるとちょっと…覚悟が決まらないです……」
一人でも躊躇するぐらいなのに…。
しょぼんと眉を下げてできないアピールをすると、みんなは困ったように笑った。
「まぁ、仕方ないな。じゃあ唇じゃなきゃいんじゃね?」
「そうだね!僕、頬っぺたで我慢するよ」
…ん?