極上お姫様生活―2―【完】
「喧嘩したんですか?」
「ただの痴話喧嘩じゃないの、」
ぐすぐすと肩を震わせて泣きじゃくる翼を見て、胸が締め付けられる。
「無理に話さなくても、」
「ううん大丈夫。蒼空にしか話せないから、聞いて欲しい」
そう言われて覚悟を決めなおす。翼はあたしを信じて話してくれるんだから、どんな話でも最後まで聞かなくちゃ。
「じゃあ放課後、あたしの部屋でいいですか?」
今は昼休みで、何気なく保健室に遊びにきただけだから。
「お互い放課後までに覚悟決めておきましょう」
「…分かった」
教室に戻る途中で松神先生とすれ違ったけど、あたしは目を合わせることすら出来なかった。
先生も何か言いたそうにあたしを見たけど、すぐに向き直って行ってしまった。
二人の間に、一体何があったんだろう……。
5時間目も6時間目も授業に集中できるはずもなく、あたしはぼんやりと窓を眺めて過ごした―――。