極上お姫様生活―2―【完】
「特注で頼んでたから、時間掛かっちまった。寂しい思いさせてごめんな?」
申し訳なさそうに先生が笑うと、翼はブンブン首を横に振った。
「これ持ってるだけで、にやけちまう。んな気持ち悪い俺、見せたくなかったんだ」
あぁ、あたしも泣きそう。
鼻を啜ると八木原君があたしの手を握ってくれる。彼は幸せそうに笑ってるけど、多分誰よりも幸せなのはあの二人だよね。
「なあ、翼」
その時初めて、松神先生の本当の姿を見た気がした。
「―――俺と結婚しようか」
薬指に嵌められた輝きを放つ指輪をぎゅっと握って、
「うん…っ!!」
翼はとびきり可愛い笑顔で頷いた。