極上お姫様生活―2―【完】
愛しさ100倍
この笑顔を、俺は死んでも守りたいと思った。
「お前らも、迷惑掛けて悪かったな」
翼をぎゅっと抱き締めながら、斎と蒼空に目を向ける。
気を遣わせちまった。まぁこの二人がいなかったら俺たちの関係はどうなってたか……想像もしたくねぇ。
「良かったです、お二人の誤解が解けて」
蒼空が自分のことのように喜んでくれる。自然と頬が緩んだ。
「翼のこと、もう泣かせないで下さい。傷付けたら許しませんからねっ」
「ふっ、そうだな」
最近思う。……この二人似てきたな。
「当たりめーだろ、つまんないこと気にして翼を悲しませるような真似は二度としねぇ」
正直、翼から離れるのは辛すぎた。仕事なんざ手につく筈もなく、頭ん中が翼でいっぱいになる毎日が続いて。
バカなことをしたと後悔。
「ごめんな翼」
「~っ、ほんとに辛かったんだからぁあああ!」
ぎゅーっと俺に抱き着く翼。負けじと俺も力強く抱き締め返す。