極上お姫様生活―2―【完】
揚々と言ってのける翼を見て、思わず吹き出す。
「ちょっと笑うとこじゃないんですけどー」
「だって、お前に口答えしない奴なんていねぇだろ」
クックッと肩を震わせていると、容赦ないパンチが飛んでくる。まぁ痛くも痒くもねぇけど。
「失礼ね!男はみんな、私に従順なんだから」
ピクリ、眉が動く。
…………なんか今すげぇいらっとした、何だこれ。
「ここの男の子たちもそう、毎日会いに来てくれるしー」
「……ふぅん?」
やきもちなんざ認めたくねぇ。俺はいつでも優位に立ってたいんだ。
「俺だって毎日女の子から電話くるわ。しかも友達の彼女から」
本当は教師仲間で、たまにアドバイスしてるだけだけど。
「な…っ!」
思った通り分かりやすく狼狽える翼。まじで可愛い奴だな。
「しかもその子超可愛いからなー参っちゃってんだよなー」
わなわなと身体を震わせ言葉にならない声を上げていた翼は、やがて溢れんばかりの涙で瞳を潤ませた。