極上お姫様生活―2―【完】
八木原君の優しい言葉が胸に滲む。
「お役に立てたなら…嬉しいです、」
あの二人の笑顔が見れたんだから、それでいっか。
くしゃくしゃとあたしの髪を乱す八木原君を見つめる。
彼がいてくれて、本当によかった。
「八木原君、ありがとうございます」
「ん」
八木原君はあたしの頭の上から手を離し、今度は手を握ってきた。
慣れたその手つきにドキンドキン、胸が高まっていく。
握られた手がピリピリと熱い。同時に顔にも熱が分散する。
「今度は、俺たちの番だな」
どんな話なんだろう。あたしは、どんな事でも耐えられるかな。
でも、大丈夫。何があっても、八木原君を信じられる。
「覚悟はできてます」
「ショックを受けるかもしれない。でも、俺を信じて聞いてほしい」
当たり前です。大好きですもん。
「最初から信じてるので、安心して下さい」
握りあった手にぎゅっと力を込め、あたしはしっかりと八木原君を見つめた。